屋根に銅板をお使いのお客様へ
銅板は昔から高価ではあるが加工性が良く錆びず耐久性に優れているので
屋根葺き材や雨の当たる場所に好んで使われ親しまれて来た材料です。
しかし、近年になって陶器瓦と併用された銅板が腐食し穴が空いて雨漏りの
原因となってる被害例が近年数多く報告されています。
原因は、世界的に危惧されてる酸性雨等によって瓦の表面に使われてる釉薬を
溶かし、強酸性となって流れ出し銅板と化学反応を起し銅板を溶かしていると
考えられてます。
当社においても、築15以上から20年以上の住宅での被害を数例確認してます。
被害が出ているのは、粘土瓦・陶器瓦の何れにおいても症状が現れています。

是非心当りの方は屋根を確かめてください。
主に、瓦屋根で雨樋を銅板製にした雨樋、数奇屋風住宅の腰葺き屋根(下記
写真参照)の瓦先端の一文字瓦と銅葺き部分の接触部分。
陶器瓦(和風・洋風問わず)葺きで谷部に使用された銅板が被害に遭ってます。
穴は空かずとも、明らかに周辺の銅色と違ってる部分があるものは侵食が進んで
いる証拠です、いずれ穴が空いてしまいます。

下に被害に遭われた屋根の写真を載せておきますので参考にしてください。



一見して色が変色したのか?程度にしか見えません
瓦の端部に原因と見られる結晶の跡がはっきり確認出来ます。

拡大した写真です。
中央の黒い部分が腐食が進み既に穴が空いています。
瓦を持ち上げてみると既にはっきり穴が空いて雨漏りの原因が
確認出来ました。
このお住まいの住宅は築20年ほどと聞いております。

銅板の変色が見られたら既に侵食が進んでると思ってください
但し、神社仏閣などで全面が銅板で葺かれた屋根は年月が
過ぎると緑青が現れ色は変色して見えますが、この変色は心配
ありません。
対処法としては、銅板部分をガルバニュウム鋼鈑や
カラーステンレス鋼鈑などに葺き替える事になります。

銅板単独では末代物ですが、陶器瓦屋根と組み合せた銅板は
決して末代物ではありません。

※屋根に上がる時は足元には十分注意してください
  雨上がりには滑りますから絶対に上がらないでください

谷部に銅板を使用した場合の被害例です
中央の変色した部分の黒く見える部分が既に穴が空いて雨漏りを
起していました。
雨が降る度に同じ位置に酸性の雨(滴)が落ちたためです

こちらも谷に銅板を使用し被害に遭われた別の部位の写真です
中央の亀裂に見える部分が熱による伸縮の繰り返し(金属疲労)
と共に瓦から流れ出した雨による化学反応で腐食が進み亀裂が
生じ雨漏りの原因となった部分です。